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「どう?」
「……美味しいです……」
欲情してしまった自分を隠すように俯くと、鳴海さんは私の指を掴み、その指で生クリームを掬った。
次は私の指先を、彼の舌がゆっくりと舐める。
全神経が、指先に集中して動けなくなる。
「感じてんの?」
「ち、違っ……」
「俺は感じてるけど」
その瞬間、鳴海さんの舌は私の唇へと移動した。
甘さ控えめのクリームを作った筈なのに。
ただひたすらに、甘いキス。
私はその甘くて苦しいくらいのキスに必死に応える。
だけど鳴海さんの意地悪モードは、それで終わらなかった。
「ごめん、もう止めれない」
結局そのまま、キッチンで最後までしてしまった。
「絵麻、何ぼーっとしてんのよ」
「え?」
「あっ!もしかして鳴海さんとの夜を思い出してたんでしょ!」
一切反論できなかった。
完全に今、忘年会の場所にいる事を忘れていたから。
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