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「元気だったか?」
子供たちの頭をクシャッと優しく撫でる鳴海さん。
その優しいしぐさと表情に、思わず見惚れてしまう。
鳴海さんって、こんな表情もするんだ……。
「タケル兄ちゃん、このお姉ちゃんだれ?」
鳴海さんに抱っこをされながら、私を睨みつける小さな女の子。
こんな小さな女の子からも、敵意を感じてしまうのは私だけ?
「コイツは、俺の大事な人」
鳴海さんが、平然とした顔でさらっと言う。
『大事な人』
きっと子供に分かりやすいように言った言葉だと思うけど、つい嬉しくて、顔が緩みそうになる。
「大事な人?みぃよりこの人の方が大事なの?」
「そうだな、みぃより大事」
「……ふぅん」
5歳くらいの女の子、みぃちゃん。
こんな小さな子供でも、多分私のライバルだ。
するとそのとき、玄関の奥から綺麗な女性が笑いながら出てきた。
「美紀ったら何ヤキモチ妬いてるのよ、子供のくせに。初めまして、タケルの姉の沙織です」
「あ……初めまして伊咲絵麻といいます!よろしくお願いします!」
凄く美人でビックリした。
さすが鳴海さんのお姉さん。
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