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「寂しいなら寂しいって言え。俺には、もっと甘えろよ」
人に甘えるのが今までずっと苦手だった私。
鳴海さんは、それにさえ気付いてくれていた。
「……本当は寂しかったです。今日、初めて鳴海さんと過ごすイブだから凄く楽しみにしてて……でも仕事だから仕方ないって……でもやっぱり会いたくて」
こんなワガママな事言ったら、絶対嫌がられると思ってた。
でも鳴海さんは、逆にちょっと嬉しそうな顔をして私を抱きしめてくれた。
「俺も。……多分お前より俺の方が、今日一緒に過ごすの楽しみにしてたよ」
「え……それはないですよ!絶対私の方が楽しみにしてました!」
「……そんなに言うならそれでもいいけど」
思わず変なところで熱くなってしまう私。
でも、相変わらずドキッとする事を平然と口にしてしまう鳴海さんには、慣れない。
簡単に私の胸の奥は、彼が口にする言葉に動揺してしまう。
「あ、ご飯……今からどこか行きますか?あ、でも鳴海さん食べてきましたよね」
「店は明日でいい。今日はこの部屋で過ごす。いろいろ買ってきたから食お」
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