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仙堂さんより先に食べ終わった私達は、一足先にお店を出た。
「なんだかんだ言って、多分彼女の事凄く好きですよね、仙堂さん」
「まぁ、アイツにしては今回続いてるとは思うけど。でもその内別れるな多分」
「え…』」
なんか鳴海さんの言葉って、妙に説得力があるから怖いんですけど。
「アイツああ見えて細かいんだよ昔から。どうでもいい事すぐ気にするし。多分彼女の方が嫌になって別れるんじゃねぇの」
「そうならないといいですね」
仙堂さん、頑張って。
「それより。……お前はないの?」
「ないのって……何がですか?」
「俺と暮らし始めて、気になった事とか嫌だと思う事とか。直してほしいとことか」
鳴海さんと暮らし始めて嫌だと思う事?
直してほしいとこなんて、絶対ない。
……あ、でも。
「直してほしいとこなら1つだけ……」
「何?」
一瞬、神妙な面持ちになった鳴海さん。
そんな深刻な事じゃないんだけど、いつもやめてほしいと思う事がある。
「私がお風呂に入ってるとき、たまに急に乱入してくるのやめてほしいです。あれ、心臓にすっごく悪いんで……」
しかも毎回じゃなくてたまにそういう事をするから、こっちはかなり困ってしまう。
いつ鳴海さんが入ってくるんだろうって、お風呂に入ってる最中ずっとドキドキしてしまうから。
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