出逢えた奇跡

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そしてその年の12月。 鳴海さんと私は、海外の教会で結婚式を挙げた。 参列者は身内だけの、本当にささやかな挙式。 あ……少し訂正。 身内+親友だけの、小さな結婚式。 海外で結婚式をしようと提案したのは鳴海さんだった。 「私、都内でもいいですよ?」 「都内で式なんてしたら、会社のヤツら呼ばなきゃいけねぇじゃん。参列者は身内だけでいいし」 海外なら、会社の人達を呼べなくても仕方ないから。 そんなかなり不純な動機で海外に決まった。 だけど実際にその教会を当日の朝に見たとき。 ここにして良かったと思った。 控え室でウェディングドレスに着替えている最中、ドアがノックされて扉が開く。 顔を覗かせたのは、いつもよりも数倍美人な雪ちゃん。    「うわ、絵麻やっぱりそのドレスめちゃくちゃ似合ってるね!」 今日着ているウェディングドレスは、一緒に雪ちゃんが選んでくれた。 仕事帰りに何度も一緒にドレスのサロンに足を運んで、何度も試着して選んだもの。 真っ白の、プリンセスラインのレースやリボンが特徴のドレス。 腰のラインに大きなリボンが付いている。 私も雪ちゃんも、一目惚れだった。 「本当に変じゃないかな?」 「間違いなく、今世界中で1番可愛いから大丈夫」 私を見て嬉しそうに微笑む雪ちゃん。 海外まで来てくれるなんて、思わなかった。
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