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「は?ちょっと待って、今のもう1回言って」
「だからその……結婚……する事になったの」
「それ、ホントに?絵麻の妄想じゃなくて?」
「妄想じゃないもん」
鳴海さんにプロポーズをされたあの日から、2日後の月曜日の朝。
更衣室で制服に着替えているときに、雪ちゃんに打ち明けた。
「冗談よ。良かったね絵麻!おめでとう!」
雪ちゃんは、まるで自分のことのように喜んでくれた。
「本当に尊敬するわ~鳴海さんの絵麻への執着心。付き合って1年でプロポーズするなんて、どれだけ絵麻を独占したいのよ」
「別にそういうつもりじゃないと思うけど……」
なんて言いながらも。
本当は独占されたいと思っている私。
「鳴海さんって、絵麻のどこがそんなにツボなんだろうね」
そう、実はそれ。
付き合う前から、ずっとずっと気になっていた事。
どうして鳴海さんは、私を選んでくれたんだろう。
気になっていたけど、ずっと聞くタイミングがなくてなかなか聞けなかった。
あの日、鳴海さんがプロポーズしてくれた後に。
勇気を出して、聞いてみたんだ。
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