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「……今日のお前、すげー綺麗。誰にも見せたくないくらい」
本当に今更だけど、鳴海さんは……私がキュンとするツボを全て知り尽くしていると思う。
「今日のために、少しダイエットしたんです。あとフェイシャルエステにも通って、少しでも小顔に見えるように……」
「そんな事する必要ないから」
「でも鳴海さんの隣に立つんだからそれくらいの努力はしないと……」
「お前はそのままでいい。ていうか、これ以上綺麗になられたら俺が困るんだけど」
そう言って鳴海さんは、立っていた私を自分の方に引き寄せて2人でベッドに倒れ込んだ。
……いつもの鋭い視線が、私だけを捕らえる。
「どうして困るんですか……?」
「ずっと家に閉じ込めておきたくなるから」
鳴海さんに束縛されるなら。
それでもいいなんて、思ってしまう。
「……俺、何言ってんだろ。今のナシ。忘れて」
「え、嫌です!ナシにしないで下さい」
「……お前を好きになってから、俺どんどんおかしくなってる気がするんだけど」
確かに付き合う前の鳴海さんは、こんな甘い言葉なんて絶対に口にする人じゃなかった。
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