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甘い言葉をくれないクールな鳴海さんももちろん大好きだけど。
多分、今の方がもっと好き。
昨日より今日。
今日より明日。
きっとそうやって、好きの度合いが更新されていく。
これからの長い人生。
望む事は、たったひとつだけ。
一生、鳴海さんの傍にいさせて下さい。
「……鳴海さん……大好きです……」
私の言葉への返事の代わりに、鳴海さんは甘く優しいキスをくれた。
……キスで伝わってくる、愛情。
「お前は一生、俺には勝てないけどね」
キスの途中、一瞬鳴海さんが唇を離して呟いた。
私はクラクラした頭でその言葉の意味を考える。
「……どういう意味ですか?」
「わからなくていいよ」
そう言う鳴海さんの表情は、今日の結婚式のときと同じくらい、幸せそうな顔で私を見ていた。
もう1つだけ、望んでもいいのなら。
鳴海さんのその愛しい眼差しが、この先ずっとずっと、私だけに向けられますように。
……唇を重ねながら、そう願った。
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