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「良かったじゃん。おめでとう」
電話の奥で、淡々と話す鳴海さん。
あれ、もっと一緒に喜んでくれると思ったのに。
思っていた反応と違うものが返ってきて、少し戸惑ってしまう。
「じゃあ、切るから」
「あ、はい……すみません」
ブツッと切られた電話。
仕事中に浮かれて電話なんかしたから、ウザイと思われたのかな。
結婚してもうだいぶ経つのに、相変わらず自信がなくてネガティブな自分。
少し寂しく思いながら受付へ戻ろうとしたとき。
メールが届いた。
誰だろう？
中身を開くと、それは鳴海さんからで。
そのメールを読んだ瞬間、私の中の寂しい気持ちが一瞬で吹き飛んだ。
『隣に部下がいたからあんな反応しかできなかったけど。今日は早く帰るから2人でお祝いしよう』
結婚してからも鳴海さんは、本当にずっと変わらず優しい。
そして本当に、私の全てを知り尽くしている。
今日は帰ったら、鳴海さんの好きな料理をたくさん作ろう。
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