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「あの、鳴海さん……1つどうしても聞きたいんですけど」
「何?」
「どうして私なんですか……?」
「は?」
ついさっきまで、甘い甘いキスをくれていた鳴海さんの顔が一気に険しい表情に変わる。
「前聞いたとき、付き合ったら教えてくれるって言ってたじゃないですか」
「言ったっけ、そんな事」
「言ってました。……だって、1年経ってもいまだに信じられないときがあるんです。鳴海さんは、どうして私を選んでくれたんだろうって」
鳴海さんは、眉をひそめて私を見つめる。
そしてしばらく私を見つめた後、口を開いた。
「じゃあ、真面目に言うけど。……完全に、一目惚れだった」
「……一目惚れって……私にですか?」
「他に誰がいるんだよ」
そう言って鳴海さんは、いつものように呆れた表情で私を見て笑う。
「初めて会ったあの日から、何日経ってもお前の存在だけが頭から離れなかった。その後にだんだんお前の内面を知って。……気づいたら、すげぇ好きになってた」
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