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「それより今日お前から電話来たとき、妊娠したのかと思ったんだけど」
「妊娠?……え!?」
「いや、そこそんな驚くとこじゃねぇから」
「で、ですよね……」
でも確かにそうだよね。
結婚して1年半が経って、私も鳴海さんも確実に歳を重ねている。
さっきまでは、いつか……なんて妄想していたけど、そのいつかは、決して遠くはないのかもしれない。
私はこの1年半、仕事のことばかり考えていたけれど、普通ならもうとっくに、子供のことについて考えているはずの時期。
「鳴海さん、意外と子供好きですよね」
「そうか?」
「だってお姉さんとお兄さんのお子さん、実は凄く可愛がってますよね」
たまに一緒に鳴海さんの実家へ行くと、姪っ子ちゃんと甥っ子くんと楽しそうに遊ぶ姿を見て、きっと子供、凄く好きなんだろうなって思ってた。
「身内は別だけど。でもお前との子供なら、欲しいかな」
「……私も欲しいです」
大好きな人との子供。
想像するだけで、幸せ過ぎる。
「じゃあお前の仕事が落ち着いたら、作ろうか」
そう言って鳴海さんは、ニヤリと軽く笑みを浮かべて立ち上がった。
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