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鳴海さんが私に一目惚れだなんて。
それこそ、信じられないよ……。
「でも、私より綺麗な人なんて山ほどいるじゃないですか」
素直に喜べばいいのに。
こういう所に、ついつい自分の自信の無さが出てしまう。
「綺麗とかそういう事じゃなくて。……お前の雰囲気?」
「雰囲気ですか?」
「お前の笑った顔を初めて見たときとか。一瞬で心を持って行かれた感じがした」
自分から聞いたくせに。
顔から火が出そうなくらい、照れてしまった。
「納得した?」
「……はい、もう大丈夫です」
これ以上鳴海さんに甘い言葉を口にされたら。
私、絶対、おかしくなる。
「じゃあ次はお前の番だな」
「え?」
そう言って鳴海さんは、ベッドに私の体を押し倒した。
「聞かせろよ、俺のどこがそんなに好きなのか」
ニヤリと笑うその顔を見て。
今日は絶対に逃げさせてもらえないと悟った。
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