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「鳴海さんのどこが好きかなんて、聞かれても困ります……」
「何で困るんだよ」
「だって、いっぱいあり過ぎるから……」
鳴海さんのいつも少し強引なとこも。
冷たく見えるけど、本当は凄く優しいとこも。
真っ直ぐに私を見つめる鋭い視線も。
鳴海さんがくれる、沢山の甘いキスも。
全部、全部、好き。
「お前さ。頼むからそういう事、他のヤツの前で言うなよ」
「え……」
「例えば仙堂とかに俺のどこが好きなのか聞かれても、適当にはぐらかせ」
「……はい」
一応返事はしたけど。
私、恥ずかしい事口にしちゃったかな。
「すみません、変なこと口走っちゃって」
「そうじゃなくて、お前があんまり可愛い事言うから……」
そこまで言いかけて、鳴海さんは私に覆い被さりながら軽く息を吐いた。
「お前のそういうとこは、俺以外のヤツに知られたくないだけ」
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