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でも、待って。
確かに仙堂さんは、私をからかっていたのかもしれない。
だとしても、じゃああの話は?
もしかして、あれも仙堂さんの嘘?
営業部に最近出入りしている超美人キャリアウーマンが、タケルさんを狙っているって話。
「何か他に言いたい事あるなら言えば」
「じ、じゃあ、1つだけ……確認事項があるんですけど……」
私はまたしどろもどろになりながら、その話は嘘だと言ってほしくて、確認事項を告げた。
「営業部に出入りしている美女の事なんですけど……」
「美女?」
タケルさんは、『美女』の単語に眉をひそめた。
「何か、仙堂さんから、その美女がタケルさんを狙ってるとか言われて、ちょっと気になっちゃって……」
正確に言うと、気になっている度合いはちょっとどころじゃないけれど。
お願い。
仙堂さんの嘘だと言って。
ドキドキしながらタケルさんを見つめていると、タケルさんは一瞬黙り込んだ後。
「……仙堂のヤツ、どこからその情報掴んだんだよ」
と、呟いた。
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