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キスなんて、もう数え切れないくらい交わしてきたはずなのに。
どれだけ回数を重ねたって、唇が触れた瞬間、胸の奥がギュッと掴まれる感覚に陥る。
自分の中の何もかもが、持っていかれそうになる感じ。
どう説明したらタケルさんにこの気持ちがうまく伝わるかはわからないけど。
……一生、好きだなぁって思う。
タケルさんがくれるキスは、いつも少し長め。
私からたまにするキスは、恥ずかしくていつも短く終わる。
甘くて、甘過ぎて、とろける寸前。
重なっていた唇がゆっくりと離れた。
あれ?
今日のキスは、いつもより短かったなぁ。
なんて、ちょっと残念そうな顔をしていたら。
タケルさんは、余裕たっぷりの笑みを浮かべて囁いた。
「……まだしたかった?」
タケルさんが醸し出す色気に圧倒されながら、私はコクリと頷くので精一杯。
すると正直に頷いた私を嬉しそうに見つめながら、タケルさんは再度甘いキスをくれた。
……本当に、幸せです。
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