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「……ごめんなさい。いつまで経っても、心配性で」
唇が離れた後、私が謝るとタケルさんは私の髪の先を弄りながら少し呆れたように笑った。
「それは別にいいけど、それよりもう少し他人の意見を聞き流す事を覚えろ。仙堂なんかの言葉に影響受けるヤツなんて世の中お前くらいだぞ」
相変わらずタケルさんの中での仙堂さんの地位は果てしなく低いみたい。
「まぁ、いつまで経っても嫉妬してくれるのは嬉しいけど」
「……嫉妬、しますよ。……いつだって」
相手が美女だとか仕事が出来るとか、本当はそんな事あまり問題ではなくて。
タケルさんに近寄る女性がどんな人だって、嫉妬してしまう自信がある。
普段自分に何の自信も持てないくせに、そういうとこだけ自信持ったって意味ないけど。
「……タケルさんは?」
私に近寄ろうとする男性なんてそういないけど、もしそんな奇特な人が現れたと仮定したら。
結婚して何年か経過した今でも、タケルさんは私と同じくらい嫉妬してくれるのかな。
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