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「……ていうか、そう思ったら村瀬さんの気苦労って底知れないですよね」
「は?」
「だって、あの雪ちゃんが奥さんですよ?毎日いろいろ心配で仕方ないですよね。嫉妬とかしないのかなぁ……」
「何でいきなり村瀬達の話になってんの?」
あ。
また妄想が広がってた。
「お前の脳内、本気で一度覗いてみたいんだけど」
もう完全に呆れてしまっているタケルさんが横目に映る。
これ以上話し続けてたら、何か更に呆れられそうな発言をしてしまいそうだからお風呂に逃げよう。
「わ、私、お風呂入ってきますね」
そう言って勢いよく立ち上がると、突然またあの眩暈に襲われた。
足元がふらつき、ヤバイ……と思った瞬間、タケルさんが俊敏に私の腕を掴んでくれた。
タケルさんの膝の上に倒れ込み、変な態勢になってしまった。
「ありがとうございます……やっぱり寝不足はダメですね。今日は早く寝ます」
私がそう言うと、タケルさんは鋭い視線を私に向けたまま、いきなり意外な事を口にした。
「お前さ、今月、アレきた?」
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