番外編①sweet days

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アレ? タケルさんが言うアレって……アレだよね? 「……今月は、まだ……」   「やっぱりな。最近体調悪いのはそれだったか」 「でも、多分妊娠はしてないと思います」 そう言い切ると、タケルさんは怪訝な表情を浮かべた。 「何でそんな、あり得ませんみたいな顔で言い切ってんだよ。可能性ならいくらでもあるだろ」 確かに、可能性はもちろんある。 「でも私元々不規則だから、ちょっと遅れてもいつもの事だし……それに、そろそろきそうな感じがするんです。お腹がチクチクするっていうか……」 何となく下腹部に違和感がある、いつもの症状。 私の場合、その下腹部痛の症状が出始めて数日後に憂鬱な週に突入する。 毎回そのパターンだから、今回もきっとそう。 それに妊娠していたら、いくら鈍感な私だってさすがに他人に言われる前に気付くはず。 「……そういうものなの?」 「そういうものなんです。だから、多分仕事でちょっと無理し過ぎて疲れてるだけだと思います」 だけどタケルさんは、さすがタケルさんと言うべきなのか。 私の勘を、簡単に信用しなかった。 「とりあえず、検査薬買って調べるぞ」
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