番外編①sweet days

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「伊咲ちゃんは毎晩ちゃんと飯作ってんの?」 「そうですね……よっぽど残業で遅くなるとき以外は、タケルさんより先に帰ってご飯作って待ってますけど」 「ふーん。でもさぁ、たまには手抜いてもいいんじゃない?あんまり完璧にやられると、男の方も疲れちゃうからね」 「……え」 仙堂さんの言葉に、思わず作業の手を止めてしまう私。 別に自分が家の事を完璧にやれているだなんて全く思っていないけれど、それでもなるべく完璧に近付けようと努力はしていたつもりだった。 だって少しでも気を抜いたら、簡単に家の中なんてゴチャゴチャで汚くなってしまう。 タケルさんと過ごす空間をそんな風にはしたくないし、何よりタケルさんが疲れて帰ってきたときに少しでも癒されてくれたらいいなって……。 「タケルに、無理すんなってよく言われない?」 「……たまに、言われます……」 ……そういえば今月そのセリフ、何回タケルさんに言われたっけ……。 「……もしかして、逆効果だったりするんでしょうか……」 仙堂さんのパソコンはいまだフリーズしたまま。 だけど正直、仙堂さんのパソコンどころではない。
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