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「んー逆効果っていうか……だからさ、たまには伊咲ちゃんも家事、手抜いてみたら?その方がタケルもほっとするかもしれないし」
「なるほど……え、じゃあ例えば何をすれば……?」
いつもいつもタケルさんの事ばかり考えてしまう私は、結婚してもう2年経ったのに、相変わらずタケルさんに夢中なまま。
少しでも良い奥さんだと思われたい。
私と結婚して良かったって、思ってほしい。
だから少しの無茶くらいどうって事ないし、仙堂さんからの助言にだって、有り難く耳を傾ける。
私と仙堂さんの今のこの様子を周りが見たら、師匠に教えを乞う弟子みたいに見られてそう……。
「とりあえず!伊咲ちゃんも今日からカレー3日続けてみなよ」
「それって、仙堂さんの奥さんがやったやつじゃ……」
「いいからいいから。どうせ伊咲ちゃん、同じメニュー2日続けて作った事なんかないんでしょ?」
……ないかな。
結婚前、一人暮らししているときなら家事なんて本当にどうでも良くて適当だった。
でもさすがにタケルさんと暮らし始めてからは、何でも『適当』で誤魔化すのはやめた。
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