番外編①sweet days-2

21/26
502人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「マジでこれ、ヤバイ」 「え……」 そのとき、タケルさんがふわっと私の肩を抱いて、私の髪に優しく触れた。 タケルさんの香りが、私の鼻を一気にくすぐる。    「想像以上に嬉しすぎて、俺今すげぇ舞い上がってんだけど」 「……」 「それに、良かった。お前が何かの病気とかじゃなくて」 そんな、そんな心底ほっとしたような声で。 そんな事言わないで下さい。 涙腺が、破壊しそう。 「わ、私も嬉しいです!何か本当に、夢みたいです……」   私達は少しだけ体を離し、もう完全にいつものクールな表情が崩れてしまっているタケルさんとお互い見つめ合う。 目を綴じると簡単に涙が零れてしまいそうだから、必死に目を見開いて涙を堪えた。 だってここ会社だし、営業部のフロアだし、周りには村瀬さんも柳沢さんもいるし……。 「課長。一応ここ社内なので、そこから先は帰宅してからでお願いします」 その村瀬さんの冷静な一言で、私もタケルさんもやっと我に返った。 危なく、無意識にタケルさんにキスをせがんでしまうところだった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!