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「出来たって……」
「だから、その……妊娠、したみたい……デス」
タケルさんにこの一言を伝えるだけでもう緊張してしまって、語尾は何故かカタコトになってしまった。
チラリとタケルさんの顔を覗き込むと、タケルさんは今まで見たことないくらい顔を綻ばせて自分の口元に手を当てた。
普段なかなか表情を見ただけではわかりにくいタケルさんの感情が、この表情を見ただけで一瞬でわかってしまったくらい。
口元に手を当てているけど、緩んだ頬は隠せていない。
こんなに嬉しそうなタケルさん、久し振りに見た。
「……マジで?」
「マジです。多分99%間違いないと思います…実はさっき検査して確認したばっかりなんですけど……」
「さっき検査?まさかお前、会社で?」
「……しちゃいました」
その瞬間タケルさんは納得したように頷きながら、
「て事は、飯嶋あたりに急かされたか」
と呟いた。
……さすがタケルさん、正解です。
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