番外編①sweet days-2-2

10/35
前へ
/35ページ
次へ
「噂?あぁ……あの噂か」 「聞かせて下さい」 噂って、大体があまり良いものじゃない事の方が多い。 私の今までの経験上。 それでもやっぱり気になってしまって、こうやって鳴海さんを問い詰める始末。 「……内緒」 「へ?」 「教えない」 お、教えないって……。 「何でですか!教えて下さいよ」 「ヤダ」 「ヤダって……そんな子供みたいに意地張らなくたって」 「教えたくないもんは教えたくないんだよ」 そのまま無言で睨み合う私とタケルさん。 睨み合うといっても、一方的に私が睨んでいるだけで、タケルさんはまだまだ余裕な表情。 私も頑固なところはあるけれど、タケルさんも結構頑固だったりするんだよね……。 でも普段の私ならここであっさり引き下がるとこだけど、今日の私は違う。 何が何でも、聞き出してみせるんだから。 「……タケルさんが教えてくれないなら、仙堂さんから聞くからいいです」 「は?」 「あの情報通の仙堂さんなら知ってますよねその噂」 するとタケルさんは眉間にシワを寄せて、明らかに苦い表情を浮かべた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

621人が本棚に入れています
本棚に追加