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「噂?あぁ……あの噂か」
「聞かせて下さい」
噂って、大体があまり良いものじゃない事の方が多い。
私の今までの経験上。
それでもやっぱり気になってしまって、こうやって鳴海さんを問い詰める始末。
「……内緒」
「へ?」
「教えない」
お、教えないって……。
「何でですか!教えて下さいよ」
「ヤダ」
「ヤダって……そんな子供みたいに意地張らなくたって」
「教えたくないもんは教えたくないんだよ」
そのまま無言で睨み合う私とタケルさん。
睨み合うといっても、一方的に私が睨んでいるだけで、タケルさんはまだまだ余裕な表情。
私も頑固なところはあるけれど、タケルさんも結構頑固だったりするんだよね……。
でも普段の私ならここであっさり引き下がるとこだけど、今日の私は違う。
何が何でも、聞き出してみせるんだから。
「……タケルさんが教えてくれないなら、仙堂さんから聞くからいいです」
「は?」
「あの情報通の仙堂さんなら知ってますよねその噂」
するとタケルさんは眉間にシワを寄せて、明らかに苦い表情を浮かべた。
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