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……ついにタケルさんも降参?
タケルさんは仙堂さんの口から聞く事はもっと嫌なのか、はぁ……と深い溜め息をついて口を開いた。
「別に悪い噂じゃねぇんだから知らなくていいだろ」
「もう……まだ降参してなかったんですか?本当に仙堂さんに聞いちゃいますよ?」
「……わかったよ。仙堂なら大袈裟に言いそうだから俺が言う」
こんなにタケルさんが躊躇うなんて、どんな噂なのかな。
柳沢さんは確か私を見て、さすが噂の奥様だとか、噂って意外と信憑性があるんですねとか言っていた気がする。
でも悪い噂じゃないんだとしたら……。
「あ、私、わかっちゃいました」
「何?」
私はふふっと得意げに笑いながら思い当たる事を話した。
「私が、タケルさんに夢中でベタ惚れだっていう噂ですよね?」
冷静に考えれば、こんなに簡単な答えなんて他にない。
タケルさんにこんなにしつこく問い詰める必要なんてなかったんだ。
もう誰が見てもわかる事だから、噂になっていて当然だよね。
本人を前にしてちょっと恥ずかしさはあるけれど、本当の事なんだから仕方ない。
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