621人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ俺も、本当の事だから訂正しなかったけど」
「えっ……」
と、そのとき。
タイミング悪く、私の名前を呼ぶ看護婦さんの声が聞こえた。
「鳴海絵麻さんですね?2番の部屋にお入り下さい」
「あ……はいっ」
くぅぅ……もう少しでタケルさんの甘い言葉を聞く事が出来たかもしれないのに。
なんて思いながら、立ち上がり指示された通り2番の診察室へ入った。
「経膣エコー検査で子宮の中を診ますので、そこの台に座って下さいね」
扉を開けると内診台に座らされすぐに検査の準備に入り、穏やかな女医さんがエコーで私の子宮の中を確認していく。
「緊張しないでリラックスして、力抜いて下さいね」
「は、はいっ」
一応返事はしてみたものの、どうやって力を抜けばいいのかもわからず。
結局終始緊張したまま、エコー診察を終えた。
「今日はご主人と一緒に?」
「はい。今、待合室で待っててくれてるんですけど……」
そう言うと女医さんは、傍にいた看護婦さんにタケルさんを呼んでくるよう指示した。
最初のコメントを投稿しよう!