番外編①sweet days-2-2

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「ううん紅茶も大丈夫。今日、麦茶入れて持ってきたんだ」 ノンカフェインの麦茶を入れたタンブラーをバッグから取り出し、デスクの上に置いた。 「タンブラー持参ですか?珍しいですね……先輩、急にエコに目覚めたんですか?」 「う、うんそうなの!ちょっと新しいタンブラー買ったから、使ってみたくて」 自分でも意味不明な事を言っているって、わかってる。 ごめんね沙耶ちゃん……。 そのとき、システム部の狭い会議室から部長が顔を覗かせた。 「伊咲!ちょっと来い」 「え……」 こうやって部長に呼ばれて、良い事が待っていた試しがない。 大体は、誰もやりたくなさそうな仕事を押しつけられたり。 でも来客中なのに、どうして私を呼ぶんだろう? もう、とにかく嫌なイメージばかり想像しながら恐る恐る会議室へ近付き、扉を開けた。 「失礼します……」 一応一礼して、パッと顔を上げると。 部長と向かい合わせに座っていた人は、懐かしくて仕方ない顔だった。 「久し振り。元気だった?伊咲……じゃない、もう鳴海だったか」 そう言って彼は目を細めて笑った。 「増渕先輩!」 まさかもう一度こうして会えるなんて、思わなかった。
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