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「うわぁ……先輩に会えるなんて思ってなかったから嬉しいです!元気でしたか?」
「もちろん元気にやってるよ。仕事もおかげ様でだいぶ忙しくなってきたしね」
増渕先輩が起業した会社は、最初こそやっぱりなかなか思うようにはいかなかったみたいだけれど、今は相当忙しいと噂で耳にしていた。
尊敬していた先輩が独立して、成功している姿を見ると本当に励みになる。
私ももっと上を目指したいって。
もっと頑張ろうって思える。
「伊咲も頑張ってるみたいだな。やっぱり伊咲は、受付嬢よりシステム部の方が断然しっくりくるよ」
「はい……自分でもそう思います」
雪ちゃんとペアで働いていた受付の仕事も自分を成長させてくれたと思っている。
けどいざシステム部に戻ってくると、やっぱりこっちの方がどうやったって落ち着く。
私は表に出るよりも、裏方の仕事が向いてるんだなぁと改めて思う毎日。
「あ、でも先輩、今日はどうしたんですか?」
「あぁ、以前部長が構築したシステムの事でちょっとね。今難しい案件に携わってて、ちょっと部長の知恵を借りたくて」
部長の知恵?
この、いつもやる気なさそうにコーヒーを飲みながら新聞ばかり読んでる部長の知恵を借りにわざわざ?
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