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「でも本当に助かりました部長。早速社に戻ったら試してみようと思います」
「おぅ。もし不手際起きたら電話してこい。またすぐ解決してやっから」
この部長が実は誰よりも仕事出来るって噂はシステム部の中では有名な事だけど。
それでも私は、部長のその出来る一面をまだ目撃した事がないから、にわかに信じられずにいた。
けどシステム部のエース的存在だった増渕先輩がこうして会社を辞めた後も頼ってくるなんて。
……パワハラ部長、恐るべし。
「で、増渕。お前、伊咲に報告したい事あんだろ」
「え……何ですか？私に報告って」
そう聞くと増渕先輩は少し困ったような顔で笑った。
この顔は、照れ笑いって表現した方がいいのかな？
「別にわざわざ報告するような事じゃないんだけどさ。……俺、結婚する事になったんだ」
「え……そうなんですか！？おめでとうございます！」
先輩が、結婚。
そんな報告、嬉し過ぎるに決まってるよ。
「お相手は？」
「うちの会社に勤めてる、2つ年下のSEの子なんだ」
「じゃあ職場恋愛ですね！」
増渕先輩が選んだ女性なら、きっと素敵な人なんだろうな。
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