番外編①sweet days-2-2

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……どうしよう、気持ち悪い……。 とりあえず横になったら少し楽になったような気もするけど、吐き気が治まる気配は全くない。 タケルさんは、自分がいないときに何かあったらすぐ電話するようにって言ってくれてたけど、電話してもいいのかな。 でもスマホはキッチンの方のテーブルの上に置いてあって、それを取りに行く事さえ辛くてもう立ち上がれなかった。 何かお腹も痛い気がする。 まさか、赤ちゃんに何かあったんじゃ……。 そんな考えが頭をよぎった途端、吐き気は更に増してしまって、急に心細くなってきてしまった。 強くならなくちゃ。 強くならなくちゃ。 そう自分に言い聞かせれば言い聞かすほど、心の中は焦り出して余計苦しくなる。 「……タケルさぁん……」 と、タケルさんの名前を情けなく呟いたとき。 玄関のインターフォンがピルル……と部屋に響いた。 タケルさんだ。 でも、ダメだ……立ち上がれない。 いつもなら速攻で玄関まで出迎えに行く私も、このときばかりはさすがにソファーの上から動けなかった。
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