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「えぇ、そうです。吐き気と腹痛があるみたいで。……えぇ。そうですね。わかりました。失礼します」
タケルさんの声を聞いているだけで、本当に落ち着く。
私にとっては、絶大な癒やし効果アリ。
「やっぱり、悪阻だろうって」
電話を切ったタケルさんは、先生から受けた説明を細かく話してくれた。
「え……でも悪阻ってもっと妊娠が進んでからくるものなんじゃ……」
「個人差があるから、早い人ならお前ぐらいの時期でもくるらしい」
そうなんだ。
いろいろ調べていたつもりだったのに、実際なってみたら焦ってしまって下調べはほとんど役に立たなかった……。
「……大丈夫か?」
ふわっと私に近付いたタケルさんの香りが鼻をくすぐる。
思わずギュッと抱きつきたくなる衝動を抑えながら、ちょっとだけタケルさんのシャツの袖をつまんだ。
「……すみません。何か心配させてばかりで」
理由が理由だから仕方のない事だってわかってはいるけど、タケルさんの心配そうな顔を見ると胸がズキズキ痛むんだ。
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