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「……何笑ってんだよ。つーか、マジでこれからは何かあったときにすぐ電話出来るように、携帯は肌身離さず持ってろ」
「……はい」
「ちゃんとわかってんのか?お前、返事だけはいいからな」
さすがタケルさん、もう何年もずっと一緒にいるから私の特徴なんて全てお見通しだ。
「ちゃんとわかってます。……あと、タケルさんに無理しないようにって言われてた意味がやっとわかった気がします」
こうやって突然体調が悪くなる事があるってタケルさんはわかっていたから、私に厳しく言ってくれてたんだ。
残業だって、タケルさんが助言してくれなかったら、少しぐらい残業したって大丈夫……なんて言って私は無理をしていたに違いない。
「わかったならいいけど。インターフォン鳴らしてんのに反応ないから、軽く焦ったんだよ俺だって」
そっか。
私がいつもすぐ反応するから……。
「私だって、ちゃんと出迎えたかったです。いつもタケルさんが帰ってきたら嬉しくてついつい走って玄関まで行くぐらいなのに、今日はどうしても動けなくて……」
と、そこまで口にしたとき。
タケルさんのクールな無表情が少しだけ緩んだ気がした。
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