番外編②beautiful days

32/40
615人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
でも酒を飲まされたわけじゃないなら、この体調の悪さは……。 「……ごめん暁斗」 「え……」 「なかなか言うタイミングがなくて、ずっと言えなかったんだけど」 ごめん? ずっと言えなかった? 何だよそのキーワード。 もう聞く前から、嫌な予感しかしないだろそれ。 まさか、実は病気を宣告されたとか……?  「実は……」 「ちょっ、待っ……!」 「妊娠してるの」 「……え?」   今のは幻聴なんかじゃ?…ないよな? 「今、何て?」 「だから、妊娠したの」 このときの俺の気持ちは、嬉しいの一言じゃとても片付けられない程のものだった。 タケルもきっと、伊咲ちゃんの妊娠がわかったとき、こんな気持ちだったんだろう。 あまりの嬉しさに言葉を失った俺は、何も言えずにただ彼女を力強く抱き締めた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!