番外編②beautiful days

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「……ていうか、久し振りに呼ばれた」 「呼ばれた?」 何の事を言っているのかわからずに聞き返すと、彼女はまだ俺の胸に顔を寄せたまま小声で呟いた。 「名前、久し振りに呼んでくれた」 「……」 『結衣』 その名前を最近口にしていなかったなんて、今彼女に言われるまで全く気付かなかった。 でもそう言われれば確かに、彼女を呼ぶときは『おい』とか『お前』とか。 自然と名前の呼び方から、変わってしまっていたのかもしれない。 「やっぱり、名前で呼ばれる方が、嬉しい」 何なのマジで。 そんな可愛い事言われたら、顔が緩むじゃん。 「……結衣」 俺にとって、特別な名前。 口にすると彼女はゆっくりと顔を俺の胸から離し、恥ずかしそうに見上げた。 「好きだよ」 普段そんな事お互い言わないから、照れくさいといえば照れくさいけど。 もう、そういう照れとかはどうでも良くて。 可愛くて仕方ない、その気持ちをどうにか伝えたくて、彼女の唇にキスをした。
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