番外編④precious days

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「いないよ。だってまわりの子、みんなこどもだもん」 「……カケルもお子ちゃまでしょ」 なんなの、この大人びた発言は……。 この子に、私に似ている部分はどこかあるんだろうか……。 何かもう、この子の全てがタケルさんに似過ぎている。 「じゃあカケルに好きな子が出来るのは、まだまだ先だね」 何となく、まだ好きな子がいない事実に勝手に1人でほっとしていると。 カケルは繋いでいた私の手を引っ張り、主張し始めた。 「僕、いるよすきな子」 「……ウソ、いるの?え、誰?ママの知ってる子?」 思いきり食い気味に問いつめると、カケルはコクリと頷いて、まさかの名前を口にした。 「ゆきちゃん」 「……雪ちゃんって、ママの友達の?」 「うん。きれいだし、いっつもいいにおいするからすき!」 そう言っていつもクールな表情のカケルがニコッと顔を崩して笑った。 「またゆきちゃん、こないかなぁ」 やっと発見した。 タケルさんに似ていなくて、私に似ている部分。
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