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「ふーん。俺の真似するなんて、翔も可愛いとこあるじゃん」
……何か、めちゃくちゃ嬉しそうだし。
確かカケルが生まれたばかりの頃、タケルさんはこう言っていた。
自分のような性格を、カケルには受け継がせたくないと。
自分が凄くクールで冷たい子供だったから、カケルは絶対にそれとは真逆の、他人の気持ちに寄り添えるような優しい子に育てたいんだって。
私はタケルさんが本当は凄く優しい人だという事をもちろん知っているから、カケルがタケルさんの性格に似たって構わないし、むしろ嬉しいけど。
……でもタケルさんは、そう言ってなかったっけ?
「タケルさん、嬉しそうですね」
「別に?」
「喜んでる場合じゃないんですけど……」
なんて、夕食の後片付けをしていたら。
食後のお茶を優雅にダイニングテーブルの方で飲んでいたタケルさんが、スッと立ち上がった。
「わかってるよ。たまには厳しく言ってやらないとな」
そう言って、ソファーの上で絵本を読んでいるカケルの方へ近付いて行った。
さすがタケルさん、頼りになる。
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