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「わぁ、いいですね!じゃあ家で焼き肉か何かしますか?仙堂さんお肉好きだし」
「お前がいいなら、俺は別にいいけど」
「じゃあ人数多い方が楽しいし、雪ちゃんと村瀬さんも呼んでいいですか?」
雪ちゃんと村瀬さんの間に、まだ子供はいない。
雪ちゃんは本当にカケルの事を可愛がってくれていて、家も近いからちょこちょこ遊びに来てくれる。
「いいけど……この間の週末もアイツら家に来なかった?」
タケルさんがそう言い捨てた瞬間。
タケルさんの膝の上に座っていたカケルのテンションが、突然上がった。
「ゆきちゃん、またきてくれるの?」
「うん来週末、隼斗君が家に遊びに来るから雪ちゃんも呼ぼうかなと思ってるんだ」
「はやといらないから、ゆきちゃんだけでいいのに」
隼斗君に失礼な事をさらりと呟いたカケルを見て、タケルさんは思いきり険しい表情を浮かべた。
「……翔、もしかしてお前」
「そうそう、カケル、雪ちゃんの事好きみたいなんですよ」
するとタケルさんは、一瞬黙り込んだ後、深い溜め息をつき、
「女の好みは俺に似なかったか」
と、何だか残念そうに呟いた。
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