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「そんなの……もちろん1番に決まってるじゃないですか」
私が得意気にそう言うと、次はタケルさんの膝の上で私達のやり取りを聞いていたカケルが、またしても口を挟んできた。
「ママ、それおかしいよ」
「え……何が?」
「いちばんは、ふたりいたらだめなんだよ。そういうの、ふたまたってゆうんだって」
覚えたての言葉なのか、少し噛みながらも、何とか『二股』という単語を口にしたカケル。
……ていうかカケル、どこでそんな言葉覚えたの。
「二股って……大体カケル、その言葉の意味ちゃんとわかってないでしょ?」
「わかってるよ。こないだ、はやとのパパがおしえてくれたもん」
……仙堂さん、何故その言葉をカケルに教え込んだんだろう。
「アイツ、やっぱりアホだな」
タケルさんは呆れたように笑いながらも、私にチラリと視線を送った後、カケルの意見に賛同し始めた。
「でも翔の言う通り、1番好きな人が2人もいるのはおかしいよな」
そう言うタケルさんだって、絶対に1番は私とカケルの2人のくせに……。
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