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「パパ。ママのいちばんは、ぼくだよ。パパは、ママのにばん!」
カケルは、満面の笑みを浮かべながら、タケルさんに向かって指でぎこちなく『2』を作ってみせた。
「……翔。そろそろ寝る時間だぞ」
そう言ってタケルさんは立ち上がり、膝の上に乗せていたカケルをいとも簡単に抱き上げた。
そして、じたばたするカケルを強引に寝室の方へ連れて行く。
「えーまだねむたくない……」
「いいから寝ろ」
時計を見ると、確かに普段ならまだ寝なくてもいいぐらいの時間。
だけどそんな事はお構いなしにタケルさんとカケルは寝室へと消えて行った。
そして、それから約10分後、タケルさんだけが寝室から静かに出てきた。
「子供寝かすのって、ホント大変だな」
「だって……まだ早くないですか?いつもならカケル、この時間は起きてテレビか絵本見てるのに」
タケルさんにはコーヒーを、私は紅茶を自分で淹れて、2人でソファーに並んで座った。
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