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そしてタケルさんは大体決まってその後、嬉しそうに目を細めながら更に甘いキスをくれる。
結婚してカケルが生まれてからも、私達は特に変わる事はなく。
タケルさんは変わらず一途にこんな私を愛して求めてくれる。
だから今日も、タケルさんからの『そんなのとっくに知ってる』が即座に返ってくると思っていたんだけど。
どうやら、タケルさんからの返答はなく。
その代わりなのか、タケルさんは少し唇を離した状態で私の事をジッと見つめていた。
……鼻と鼻の先が、微かにぶつかる距離で。
ていうか、こんな近くで見つめられたら目のやり場に困ってしまう。
そもそもこんな至近距離のタケルさんには、いまだに慣れていない。
「俺の方が好きだよ。……お前の何倍も」
「え?」
タケルさんから返ってきた言葉は、私の予想とは大幅に違うものだった。
「い、今なんて……」
「いや、聞こえなかったならいい」
「ちょっ……良くないですよ!ていうか、もう1回聞きたいです!」
何度でもタケルさんの甘い言葉が聞きたくて、私は必死に彼のシャツを揺さぶった。
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