番外編④precious days

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「あのさ、何度も言うの無理だから。マジで恥ずかし……」 「恥ずかしくなんかないです!だってタケルさん、あんまりそういう事普段言ってくれないじゃないですか……だから言ってくれたときには何度も聞いてキュン溜めしようと思って……」 好きとか、愛してるとか。 そういう言葉を毎日のように言ってくれる人もいれば、一切言わない人もいる。 タケルさんはどちらかというと後者タイプ。 普段の態度から、私を大切にしてくれている事はもちろん伝わってくるけれど。 それでも、やっぱり好きな人からの『好き』は特別で。 たまには言葉が欲しくなるときだってある。 だからタケルさんがたまにこうやって気持ちを伝えてくれるときは、その言葉を脳裏に焼きつけたくて、何度も何度も聞きたくなってしまう。 本当は録音出来れば一番いいんだけどな。 でもずっとボイスレコーダーをしのばせておくわけにもいかないし。 「何だよキュン溜めって」 「え、だから……」 と、自分の中でキュン度を溜めていく説明をしようと思ったけど、絶対呆れられそうだから説明するのはやめておいた。
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