936人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「……ママ、パパ……おやすみなさい」
私はその小さな手をギュッと握り返した。
カケルを挟んだ向こうで寝ているタケルさんも、瞑っていた目を開き、カケルを愛しそうに見つめていた。
そしてタケルさんと一瞬目が合い、2人で一緒に笑みを零した。
「……おやすみ、カケル」
この日は3人で寄り添い、手を繋いで眠った。
この先、離れる事がないよう願いながら。
いつまでもこのままで、どうしてもそう願いたくなってしまうけど、変化が訪れない人生なんて、きっとどこにもない。
必ず、変わるときはやってくる。
でも、それでも。
変わらない愛はある。
変わらない幸せは、絶対にあるって信じてる。
……ここにあるって、信じてる。
宝物のような愛しい2人の寝顔を見つめながら、強く強く、思ったんだ。
END
最初のコメントを投稿しよう!