番外編④precious days-2

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そんな気まずい雰囲気の中でも関係なく毒を吐いたのは、タケルさんだった。 「本当、隼斗は仙堂に瓜二つだな。今から将来が心配になるんだけど」 「何で俺に瓜二つだったら将来が心配になるんだよっ。つーか、それを言うならカケルだってそうだろ!」 カケルは隼斗君が泣いているのにも関わらず、全く気にしない様子でハンバーグをモグモグと食べ続けている。 「カケルだって、お前にソックリじゃん!仏頂面で冷徹だし!子供ながらにサラッと毒吐くし!」 そんな事を口にした仙堂さんに、私は黙っていられず小さく反論してみた。 「カケルは仏頂面でも冷徹でもないですよっ。確かに毒はたまーに吐くかもしれないですけど」 「ちょっとどころか隼斗はいっつもカケルの毒に侵されてんだよ?タケルじゃなくて伊咲ちゃんに似てくれれば良かったのになぁ」 「カケルの毒って……そんな言い方しないで下さいっ」 それから私も仙堂さんもついつい熱くなってしまって、完全にお互い息子の自慢で張り合う形になってしまっていた。 ちゃんとわかってる。 こういうのを、親バカって呼ぶんだって事。
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