番外編④precious days-2

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「あ、あの、雪ちゃんもタケルさんももうちょっと仲良く……」 なんて口を挟んでみたけれど、2人にガッツリ睨まれて撃沈。 雪ちゃんとタケルさんが合わないのはもうずっと前からだし、この2人の事は放っておこうと思っていたら、それまで黙っていた村瀬さんが穏やかに雪ちゃんに声をかけた。 「雪。もうその辺にして肉食べたら?目の前の肉、焦げる寸前だと思うよ」 「あ!」 雪ちゃんの意識は即座にホットプレートの上のお肉に向かって、冷戦はあっけなく幕を閉じた。 雪ちゃんがお肉に夢中になっている間、村瀬さんは私とタケルさんにアイコンタクトで『すみません』と謝ってくれた。 私も雪ちゃんに気付かれないように、視線で『いえいえ、こちらこそすみません』の気持ちを送った。 ……村瀬さん、ほんといい人だ。 「空、カボチャ食べる?」 「あぁ、ありがとう」 強気な雪ちゃんと、穏やかな村瀬さん。 いつ見ても、お似合いだなぁと思う。
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