937人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、あの、雪ちゃんもタケルさんももうちょっと仲良く……」
なんて口を挟んでみたけれど、2人にガッツリ睨まれて撃沈。
雪ちゃんとタケルさんが合わないのはもうずっと前からだし、この2人の事は放っておこうと思っていたら、それまで黙っていた村瀬さんが穏やかに雪ちゃんに声をかけた。
「雪。もうその辺にして肉食べたら?目の前の肉、焦げる寸前だと思うよ」
「あ!」
雪ちゃんの意識は即座にホットプレートの上のお肉に向かって、冷戦はあっけなく幕を閉じた。
雪ちゃんがお肉に夢中になっている間、村瀬さんは私とタケルさんにアイコンタクトで『すみません』と謝ってくれた。
私も雪ちゃんに気付かれないように、視線で『いえいえ、こちらこそすみません』の気持ちを送った。
……村瀬さん、ほんといい人だ。
「空、カボチャ食べる?」
「あぁ、ありがとう」
強気な雪ちゃんと、穏やかな村瀬さん。
いつ見ても、お似合いだなぁと思う。
最初のコメントを投稿しよう!