番外編④precious days-2

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「……大好きです」 子供の頃の事を思い出しながらそう言うと、タケルさんはふっと笑って私の髪をクシャッと撫でた。 「翔も同じだよ。まだまだガキだけど、お前の仕事の事も理解しようとしてるんだよきっとアイツなりに。だから、寂しいって言わないんだよ」 「……」 ダメだ。 ここ、泣くところじゃないのに。 タケルさんにだけはすっかり甘えられるようになった私は、涙を堪える事を忘れてしまうんだ。 「何で泣いてんだよ」 「……わかりません」 涙の理由なんて、自分でもわからない。 ただ、胸に何かがグッと込み上げてきたから。 「それに、翔言ってたし。働いてるママが好きだって」 「えっ……」 「頑張って仕事してるお前が好きなんだってさ。つーかアイツ、どんだけお前の事好きなんだよ」 カケルがそんな事言っていたなんて。 そんな嬉しい言葉、他にないよ。
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