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「なぁ、コイツのどこが甘え下手なんだ?」
確かにカケルは、私には似てません。
こんな可愛い甘え方、子供の頃の私は絶対出来なかったもん。
結局タケルさんは渋々といった表情を浮かべながら抱きかかえていた私を降ろし、3人でベッドに潜り込んだ。
もちろん、私とタケルさんの間に、カケルがいる。
ベッドに入ってもなかなかすぐに寝つけない私は、隣のカケルに話しかけてみた。
「カケル、今日楽しかった?」
すぐ隣にいるカケルにそう聞くと、カケルは私の方に顔を傾けて少しだけはにかんだ。
「うん、たのしかったよ」
「そっかぁ……良かった」
「ママとパパは?たのしかった?」
チラリとタケルさんの方を見ると、普段から寝つきがいいタケルさんは既に眠っているのか寝息を立てていた。
なので、タケルさんの分も私が代弁。
「うん、すごーく楽しかった!」
「よかったね」
そう言って笑ってくれたカケルが愛しくて。
私はカケルの小さなほっぺに、優しく触れた。
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