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「……ねぇ、カケル」
「なに?」
「妹か弟、欲しいと思った事ある?」
どうしてカケルにそんな事を聞いたかというと、私自身がそろそろ2人目の事を考えていたから。
子供の頃、寂しかった時間を寂しくないと思えるようになったのは、もちろん両親が多忙な日々の中で自分を愛してくれていたからだと思うけれど。
でも、もう1つ。
妹の存在は、やっぱり大きかったと思う。
子供の頃は姉妹ケンカもしたけれど、妹の存在には何度も救われた。
妹がいて良かったと思った事は、何度あったか数えられないくらい。
当然、絵里にはナイショだけど。
だからカケルにも、弟か妹を作ってあげたいって思ったんだ。
「んー……」
するとカケルは少し考え込むような顔をして、サラリとこう言った。
「べつに、どっちでもいい」
「……そうなの?」
てっきり、満面の笑みで「欲しい」って言ってくれるような気がしていたから、少し拍子抜けしてしまった。
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