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……仙堂さんに本当にそろそろ一言ガツンと言っておかないと。
「ちがうよ。はやとのパパじゃなくて、こないだ読んだほんにかいてたんだよ」
「……どこで何の本読んだの?カケル」
私はカケルがどこまでの知識を得ているのか聞きたくて仕方なかったけど、当の張本人は眠たくなってしまったみたいで、怪訝な表情をするばかり。
「ねむたいから、もうねる」
「えっ……」
「心配するだけムダだって。今の子供は俺らの想像以上に大人びてるんだよ」
カケルと同様、眠たそうなタケルさんは一言そう言い放ち、私の心配をよそにまた目を瞑ってしまった。
仕方なく私も2人のように目を瞑ると、隣にいるカケルがキュッと私の手を握りしめてきた。
小さな、小さな暖かい手で。
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