森之宮さん

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課長が上機嫌でみんなを誘う。 森之宮さんと2人きりのイタリアンじゃなくて、嬉しいような、ちょっとさみしいような…… 違う! 私にはしんちゃんがいる。 森之宮さんにはちょっとトキめいちゃったけど、ただの同僚だもん。 居酒屋で森之宮さんと席を離そうとしたのに、課長ったら森之宮さんの隣の席を指差し、 「山口君も今日は赤ちゃん保険契約したんだよな。 一緒にお祝いだ。 森之宮君の隣に座って」 「あっ、はい」 課長に反抗するわけにはいかず、森之宮さんの隣に座る。 「山口さん、彼氏いないんだっけ? 森之宮君、山口さんどう?」 お酒が入り、みんなが酔っ払ってきた時、課長が突然森之宮さんに話しかけた。 「杏奈ちゃん、実は俺のタイプなんですよね! 出会った瞬間、ビビビッときましたから」 「ちょー、それって運命の人じゃん。 赤い糸で結ばれてるってか?」 同期の柴崎君が大げさに冷やかしてくる。 顔が真っ赤になり、森之宮さんと目を合わせる事が出来なくて俯いてしまう。 恥ずかしさを紛らわすために、お酒をどんどん飲んだ。 「森之宮君、山口さんを送ってあげて」 薄っすらとした意識の中で課長が森之宮さんに私の事を頼んでいるのが聞こえてきた。 「杏奈ちゃん。 もしかして俺たち運命の相手かもしれませんね」 森之宮さんに支えられ駅に向かって歩いている時、森之宮さんが私の耳元で囁いたような……
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