揺れる心

半分

あの優しいしんちゃんを振ってしまった。

いつも私を褒めてくれたしんちゃん。

森之宮さんにはしんちゃんと別れた事は言っていない。

森之宮さん、しんちゃん。

私の心は半分ずつ。 いっそ、身体も半分に分かれればいいのに。

「森之宮君、山口さん、
来週の木曜日、大阪支社の研修会の予定を入れといて」

企業周りを終えて会社に帰ると、森之宮さんと一緒に課長に呼ばれ、研修会に行くように告げられた。

森之宮さんと2人きり。 今の関係が変わる予感がした。