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半分
1日目の研修を終え、私は森之宮さんと会場を後にした。
研修中は意識しないようにしていたけど、改めて2人になると、急にドキドキしてきて、まともに森之宮さんの顔を見ることができなかった。
その様子を知ってか知らずか、森之宮さんは、
「ねえ、本当は俺たちお互いに求めあっているよね?
これって俺の思い込みじゃないと思う。
俺もこんなにドキドキしているだから。
杏奈ちゃんもだろ? 俺には分かる」
急に言い当てられて、私は口をパクパクするばかりで何もできなかった。
そんな私をニッコリと見つめる森之宮さん。
「今の俺たちって最強だと思う。だから……」
と言いながら指を刺した先には『人気NO.1占いショップ愛美』という看板があった。
「俺たちの運命を占ってもらったら、絶対いい結果が出ると思う。予言するよ」
そういいながら私の手を握ってきた。
「運命?」
私は森之宮さんの言葉を理解することで精いっぱいだった。
「そう、俺と杏奈ちゃんは最強の運命だよ、
きっと。だから彼氏さんと別れるのも必然。
なのに、俺の告白を受け入れない。素直じゃないよ。
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